第3に、新防衛白書は中国の領土主権と海洋権益の維持、国防力の発展を牽制するために世論を作り上げ、圧力を加えようとしている。「南中国海」関連の記述を新たに増やし、釣魚島と南中国海の主権争いに関し、中国の「高圧的な」姿勢が日本など周辺国に「今後の方向性への不安を抱かせている」と非難。そのうえ、東南アジア諸国の国防費増加の原因の1つを中国の影響力拡大のせいにしている。新防衛白書はさらに、中国海軍は東中国海と南中国海で「活動範囲を拡大し、活動を常態化させている」と指摘。中国と領土係争を抱える東南アジア諸国の共感を呼び起こし、東中国海と南中国海で対中牽制の多国間連携体制を築くことが目的のようだ。
日本の新防衛計画大綱と新防衛白書から明らかになった根本的問題は、日本の安全保障分野における中国の戦略的位置づけおよび対中軍事戦略には誤りがあるということだ。防衛省が「中日戦略的互恵関係」を両国の安全保障の礎石とはしておらず、逆に中国を最大の「潜在的脅威」と見なして防衛戦略を策定していることは明らかだ。これは馬鹿げているうえ、危険でもある。中国は現在日本にとって最大の貿易相手国、最大の観光客源であり、脅威ではない。両国は和すれば共に利し、闘えば共に傷つく。日本はどちらと別れ、どちらに従うべきか、まさかよくわかっていないのか?
「人民網日本語版」2011年8月5日