過去100年の近代史を振り返ると、日本の拡張と侵略は、中国人民に大きな苦しみをもたらした。1972年、中日双方の政治家は極めて大きな英知と忍耐力によって数々の困難を乗り越え、両国関係の正常化を実現した。歴史と歴史観問題は、中日関係において回避できない重要な問題である。
かつて野田佳彦氏は歴史問題について常軌を逸した発言をしたが、民主党の党首に選ばれた直後、アジア各国とのウィンウィンを実現しなければならないとメディアに表明したことに、人々は留意している。あの侵略の歴史をどのようにとらえること、中国人民を含むアジア各国人民の感情を尊重することが問題なのだ。正しい歴史観はウィンウィンを実現するための前提であり、基礎でもある。歴史問題を正しく処理しなければ、中日関係が挫折し、後退することも考えられる。
野田佳彦氏は民主党代表選挙のとき、哲学的な話をした。朝顔が花を咲かせるのに必要なのは、前の夜の闇と冷たさだと同氏は語った。この話は、中日関係にも適用できる。歴史に正しく対処し、歴史を鑑として未来志向に立ってこそ、中日の戦略的互恵関係を絶えず発展させることができるのだ。
中日関係は、両国にとって最も重要な二国間関係の一つであり、二国間関係の範ちゅうを越え、国際的影響力と地域的影響力は一段と大きくなっている。そのため、中日関係の発展をはかるにあたっては、それぞれに立脚して、両国の発展の趨勢を把握すると同時に、世界に目を向け、地域的視野と世界的視野に立って中日関係をとらえ、時代の流れに沿って両国関係発展の正しい方向を把握しなければならない。
来年、中日は国交正常化40周年を迎える。この重要な節目に、日本の新しい指導者が高所大所に立って、チャンスをとらえ、共同発展をはかり、繁栄を共有し、中日の戦略的互恵関係を新たな段階に推し進めることを人々は望んでいる。
「新華網日本語」より 2011年9月1日