文=中川幸司
みなさん、8月も終わりになろうとしています、如何お過ごしでしょうか。東京も北京もここ10日間くらいは、朝や夕方など「涼しいなぁ。」と思うことが多くなりました。今の季節は「夏のスパイシーな余韻」を残しながらも、「冬の凍てつく刃の足音」を聴くような気がします。暑く開放的になっていた気分からスイッチして、身を引き締めて寒さに臨まなくてはならないというような「黄昏時」の季節感は、我々の気分にも大きな変化を与えますね。
さて、大きな変わり目といえば、8月30日、日本国に第95代内閣総理大臣が誕生しました。今日のブログテーマは流石にこれに触れないわけには行きません。野田新総理と日中関係です!
とはいいましても、こちらのブログでは、難解な分析ではなくて、やんわ~り、と「日中関係」について今後どのようになっていくのかを、「ものすごくコンパクト」に捉えてみましょう!(精緻な研究は僕の個人ブログや他の評論家の方のご意見を参照してくださいね。)
まず、1番目、政治スタイル全般について。
野田新総理は「真面目型」「調整型」ですから、個人的に「志・情熱」だけに走ったような、強い外交姿勢を、その場その場で、突然とることはないはずです。パフォーマンスをするのではなくて、しっかりと党内議論、国会議論を経た上で、中国に対して「物言い」を出します。その意味では、外交的な水面下の交渉はしやすくなるはずなので、中国からすればいわゆる「メンツ」を保ちながらの外交調整が可能と思います。
2番目、首相個人の外交問題の優先順位の考え方について。(個人的処理問題)
多くのマスコミでもこれまで、あまり外交場面について野田氏が登場することは少なかったと思います。いわば、外交タイプ or 内政タイプの二極的な議論においては、「内政タイプ」の政治家ということができるでしょう。ですから、同時期にいくつかの処理すべき高レベルの政治的課題が生じたときには、外交よりも内政を重視する可能性が高いです。中国との多くの外交課題はあまり前進しない可能性が高いと思っています。良い方向にも、悪い方向にも進まないと考えます。
野田首相の個人的主観として外交問題が後回しにされる可能性が高いでしょう。