野田新首相は、海外との協調を無視しながら、海外との経済活動や国際関係連携の日本にとっての重要性を理解せずに自己主張を強くするだけの、極めて短絡的な自己中心主義の愛国と自己満足からくる「対中国強硬派・タカ派」ではなく(いわゆる極右)、漠然とした大衆の理解不足からくる「大衆の嫌中」の理解者・代弁者であるだけです。もちろん、野田新首相個人としても何らかの「対中感情」はあるのかもしれませんが、各所での言動から判断すれば、「一般的な有識者レベル」での感情水準とみています。
さて、このように4つの観点、全般的な組織マネジメントスタイル、重視する政策タイプ、政権不安定性の継続、個人的思想の生成要因を考えました。
これらより、見えてくるのは、「野田新首相は、対中国外交について、過激な思想をもっていないが、日本国民の多くが持つ嫌中的な民衆の意見を代弁することに熱意を持った真面目人間であって、そのために強気の発言をすることがある。(自分の得点稼ぎのパフォーマンスではない。)」しかしながら、「政権は相変わらず不安定であり、党内と党外の組織調整のためにも、また内政を充実させるためにも、首相本人の政治意識として相対的に意義の薄い外交問題について、過激な発言は避けて曖昧にしようとする(外交を解決するよりも、内政を充実させたい)」。ということだと、中川コージは考えます。
中国への過度な敵対的発言は次第に減っていくでしょう、同時に外交問題は処理されずに蓄積されていくと思います。
いずれにしても、まずは「御手並拝見」の段階です。野田新首相本人曰く「どじょうのように泥臭く」ということがどういうことを意味していくのか、期待しながら見ていきましょう!
(中川幸司 アジア経営戦略研究所上席コンサルティング研究員)
「中国網日本語版(チャイナネット)」 2011年8月31日