日本のJR北海道の中島尚俊社長は、失踪から数日後に自殺したことがわかった。遺書には、今年5月に起きた特急列車脱線・火災事故を申し訳なく思い、死をもって償うことがつづられていた。
今年5月27日、北海道でJR特急列車が脱線・炎上する事故があり、36人が負傷、6両編成の列車が全焼した。その後すぐ、JR北海道では信号機が切り替わらない、列車から白煙が出るなどのトラブルが起きた。こうして、一連の疑問、非難、責任追及の声がJR北海道、特に中島社長に向けられた。世間から非難され、幾度にもわたる謝罪と改善措置報告を行った中島社長は、「死をもって償う」ことを選んだ。
日本企業の管理体制と社会文化の原因を探れば、中島社長が選んだ結末に深い社会的な基盤があることがわかる。
企業の不祥事が続いた時期の後、日本企業は社会的責任を果たすことを務めとし、省エネ、エネルギー消費削減、社会福祉、公共事業などの面に全力を注いできた。例えば、日本では終身雇用が一般的で、特別な理由でもない限り、会社は従業員の生活を維持するために解雇してはならない。製品の質、社会の信頼、消費の安全などはさらに言うまでもない。重大なトラブルが続いたJR北海道が社会的責任で大きなプレッシャーを受けるのも仕方のないことだ。
さらに、日本企業には厳しい階級制度がある。日本企業で働く従業員の多くはその厳しい階級制度をよく理解しており、階級が高いほど責任は重くなる。当然、脱線・炎上事故における世間からの批判と巨大な社会的圧力は社長に集中し、報道にあったとおり、中島社長は心身ともに疲れ、ストレスが極限に達していたに違いない。
その上、日本には「羞恥心文化」と「処罰文化」が深く根ざし、過ちを犯したり、約束を果たせなかったりすれば、謝罪するほかに引責辞職などと引き換えに責任をとらなければならない。中島社長の場合、その「引き換え」に恥やプレッシャーから逃れる方法を選んだ。
事故から4カ月近くが経ち、中島社長は従業員の減給、謝罪、改善を率先して行ってきたが、非常に極端で突然な方法で責任をとり、社会的圧力に対応した。これは非常に悲しく残念なことだが、日本社会の状況をもとに、痕跡をたどることもできる。
「中国網日本語版(チャイナネット)」2011年9月20日