オリジナリティーへの道筋は一企業だけでは達成されず

オリジナリティーへの道筋は一企業だけでは達成されず。 僕が研究しているひとつに「いかに中国の産業構造を変化させるのか?」というテーマがあるのですが、この数ヶ月で中国のいくつかの都市にて、実際の「現場」の意見をいくつかお聞きすることが出来ましたので、日本や他国と関わる中国人企業経営者さんとのお話から所感を今回のブログにテーマにします…

タグ: 中国 産業構造 日本 世界の工場

発信時間: 2011-09-22 10:26:04 | チャイナネット | 編集者にメールを送る

産業価値連鎖の上流から見て、

研究開発(高利益率)

→製品企画(中利益率)

→部品生産(低利益率)

→部品加工・製品組立(低利益率)

→流通・物流(中利益率)

→ライセンス管理・小売販売(高利益率)

→ブランド管理(高利益率)

のように、粗くはありますが、上流から下流に従って「U」の字を描くように、利益率の構造が異なっているわけです。

たとえば、有名なアップル社のIphoneは、中国でも人気のある商品・ブランドでありますが、中国でこれだけ消費されているにもかかわらず、中国の企業はこの「低利益率」の部分しか担当していないわけです。仮に十年以上前にIphoneがあったならば、中国人が購買できないほどに高価であったわけで、それは「工場」であるだけで納得がいったが、今は、中国人も購買できる市場が中国にあるのに、それでもまだ「工場」だけしかやれていない、ということが「不満」の原因でありますね。

さて、それでは、この「不満」の要因を解消するために、中国政府も後押しをして「産業構造の転換」を強く推進しているわけですが、まだまだ多くの問題をかかえます。ひとえにそれは、高利益率の部分を担当できる「中国内で組織貢献する人材の決定的な不足」が要因であります。果たして中国企業の経営者たちは、「工場」で得られた「キャッシュ」をどこに持っていけばいいか?ということですね。

「引進来」(世界からの引き入れ)政策からの転換が、「走出去」(世界への進出)が達成されないどころか、実は「低利益率な産業価値連鎖の一部」が「引進来」してきただけであって、実は「高利益率な産業価値連鎖の一部」は、中国に入ってきてなかったわけです。それでは、「走出去」には到達出来るわけはありません。

単純な海外企業のM&Aだけではいけません、はてさて、中国各地でわきおこっている、中国人工場経営者の皆さんの「不満」に対して、僕もこれに如何にそれを解決し貢献していけるか、そして、日本の役割をそのプロセスの中で明確にメリットあるものとするか、大仕事なのでワクワクしているところです!

(中川幸司 アジア経営戦略研究所上席コンサルティング研究員)

「中国網日本語版(チャイナネット)」 2011年9月12日

 

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