生産台数の回復は容易だが、市場を取り戻すのは難しい。わずか数カ月で、市場構造は静かに変化しつつある。
このような状況について、北京のある自動車取引市場の顔景輝副社長は、「地震と津波は市場を失った直接的な原因だが、数回のリコールによる品質に対する信用低下もブランドイメージに打撃を与え、消費者の日系自動車に対する信頼に大きく影響した。直接的な経済損失と比べて、このような影響はもっと長期的なものになる」と述べた。
日系自動車の低迷は同業他社にチャンスをもたらしている。全国乗用車市場信息聯席会の崔東樹副秘書長によると、3月の東日本大震災の後、日系自動車の供給が不足し、市場シェアが低下した。それと同じ時期に、ドイツの自動車の生産台数が回復し、中でも新型パサートの販売台数は毎月2万台超に達した。
一方、市場を取り戻したい日系自動車が直面する市場環境は非常に厳しい。中国自動車流通協会の羅磊副秘書長は、中クラス車市場には非常に多くの車種があり、競争が激しくなっていると話す。そのほか、商品については、ドイツの自動車は世代交代が速く、新商品に積極的に新技術を使用し、値上げ幅も大きくない。そのため、外観だけに工夫を凝らす日系自動車より競争力がある。
「中国網日本語版(チャイナネット)」 2011年10月12日