Chronic Tsunami Warning!!(慢性的津波警報!!)Ⅱ

Chronic Tsunami Warning!!(慢性的津波警報!!)Ⅱ。 これは先程も述べたように、日本の大企業しかり、中小企業しかり、これまで対外FDIを経営効率化の観点から検討してきたことはあるでしょう。そして、一部の産業セクターかつ大企業(の経営チーム)だけが311を「きっかけ」とした訳です…

タグ: 津波 地震 日本企業 FDI 資源

発信時間: 2011-10-12 14:56:28 | チャイナネット | 編集者にメールを送る

文=中川幸司

パート1からの続き)

続いて、企業の動機(Motivation)と実行可能性(Resource and Capability)を観察します。

これは先程も述べたように、日本の大企業しかり、中小企業しかり、これまで対外FDIを経営効率化の観点から検討してきたことはあるでしょう。そして、一部の産業セクターかつ大企業(の経営チーム)だけが311を「きっかけ」とした訳です(例:生産拠点が倒壊したから・・・、リスク分散経営を進めるために・・・)。

僕は多くの日本企業は、動機はあったかもしれませんが、対外FDIの実行可能性は311前も、311後も低かったと捉えています。これの主たる要因は、「人材グローバル化」に対して未対応であるからです。企業資源のうちの重要なもののひとつは、「人的資源」です(ちなみにですが・・・巷のトピックとして、企業はヒトモノカネではなくて、ヒトヒトヒトなどという論調をたまに見かけますが、これは非常に近視眼的で、経営分析の客観性を失わせる危険な発想です。ヒトは人間であるがゆえに、愛着もわき、感情移入もしてしまいますが、だからといって、すべての企業資源をヒトに結びつけてしまっては、すべての経営判断がサイコロを投げるようなものになってしまいます。もちろん、経営者は、個人としては人情味があって良いのですが、経営を語る時にヒトヒトヒトと表現するのは誤解を与える見解ですので注意しましょう。)。この人的資源は短期的に育成するのが困難で、とりわけ日本人は文化的に外国を外国とみなして、社会文化としては取り入れる能力をもっているものの、個人としては噛み砕くのに時間がかかる、いわゆる「島国精神」を持ち続けているといわれますね。ですから、「人材グローバル化」を311が発生したからといって短期間で達成するのは非常に困難で、とりわけ中小企業が「人材グローバル化」をする実行可能性は極めて低いと思われます。

ですから、日本企業は311があろうとも、決して対外FDIを一気に増加させるような事にはならなかったわけです。311はひとつのタイミングではありましたが、各企業にそもそもの動機と実行可能性が備わっていなかったということになります。

おそらく、さきほどの、チャイナネットさんの記事を挙げましたが、残念ながらアジア各国がそれほどの「超ウェルカム状態」誘致熱をあげたとしても、日本の企業は総じて見れば対外FDIにそれほど積極的でないと思います。

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