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学位に関係なく同じ扱いを受ける、という意味では、待遇面も同じである。どんな学歴を持っていようとも、新入社員はすべて一律14万円(約9千元)という月給からスタートする。日本の物価や生活水準から考えると、上海で3千元の月給を貰って暮らすのに相当する。だが、この一律月給は入社後すぐに差が開いてくる。新入社員それぞれの素質や能力が見出されれば、それを最大限に発揮できる部署へと異動させられるからだ。
日本の新聞・マスコミ業界では、記者に求める唯一の条件は「ジャーナリストの感覚」である。ニュースを報道・評論するに当たっての思考力・文章力が非常に重視される。一つのニュースに対し誰がどのように感じているのか、それすらも一つのニュースになり得る。マス・メディア用語で「ニュースを嗅ぎわける力」を持つ記者は、必ず重宝されるようになるはずだ。
日本の新聞・マスコミ業界では「優秀なジャーナリストとは、自ら考え判断できる能力を備え、誰も知らない誰も見たことのない情報を大衆に知らせることができる人だ」という考えを持っている。例えば、日本経済新聞社では、記者であるからには「好奇心を持つこと」を絶対の前提としている。
日本では、新聞・マスコミ業界というのは周囲から羨望の眼差しで見られることが多い。竹岡氏は「日本では、政官界を目指すのは三流の人材で、本当に優秀な若者はみな経済界、実業界、新聞・マスコミ業界を目指します」と誇らしげに語っている。氏はまた、「中国では何故、政官界に入る若者を優秀だと見なすのだろうか?」と不思議がる。「経営の神様」と異名を持つ松下幸之助氏(松下電器産業創業者)の言葉「一流の人材であれば企業に留め、二流の人材なら政界に送り込もう」はまさしく名言である。
「中国網日本語版(チャイナネット)」 2011年10月26日