中国がGDPで日本を越えて以降、日本では一種の焦りが広がっている。最近では、インドが日本のGDPを越えるというニュースがあり、日本は世界第4位の経済体になる可能性も出てきている。GDPは国家の本当の力を示すものではないが、国家の力を測る上で指針となる指数の一つであることは間違いない。このような状況の下、民主党政権になって3人目の首相、野田佳彦は前任の方針(菅直人前首相が熱心に行った内戦、つまり小沢一郎の「締め出し」)を放棄し、外交策に乗り出した。野田首相は、日米同盟を強化し、アジア太平洋戦略をすることで「中国対策」を強化するなど、強硬な外交姿勢を示している。
強硬姿勢を見せるのは、もちろん野田政権が初めてではない。しかし、このような強硬な姿勢は果たしていつまで続くだろうか?
昔はにぎやかだった福島県会津市は人口が大幅に減少。北海道も人口の減少により、工商業用地の価格が最低で1平方メートルあたり170円になっている。鳥取県にいたっては、47都道府県で最も人口が少ないことを売りにして、羽田空港で「農村の生活」を宣伝した。
これらすべてが日本社会が直面している深刻な現象を物語っている。それは人口減少による少子高齢化だ。
この問題は簡単に解決できるものではない。日本社会保障人口問題研究所の予測によれば、日本の出生数は現在の110万人から2030年には69万5000人にまで減少、2055年には45万7000人になる。日本の農林水産省が発表した『農林業統計データ2010』によると、農業従事者数は261万人で、5年前よりも74万7000人(22.3%)減少した。この数字は20年前の約半数である。
そのほか、日本政府が発表した統計によると、女性と高齢者の就業率が改善されない場合、労働人口は今後20年で1000万人減少するという。また、2050年には、労働人口は現在の3分の2になると予測されている。『産経新聞』は「必要な人口が満たせなければ、社会の様々な組織が正常に機能できなくなる。そして、国防と治安は深刻な問題に直面し、日本社会の崩壊を招く恐れがある。日本は少子高齢化問題と日本の安全、治安が結びついていることを認識しなければならない」と報じた。産経新聞は、日本は人口減少により、自衛隊と警察が不足すると指摘している。
日本は「没落」に抵抗し、何度も強硬な姿勢を示した。経済面では「失われた十年」「失われた20年」を経験しているが、今でも中国に対しては「我々の成長がまずいのではない。あなたたちの発展が速すぎるだけだ」と言っている。
中国の戦略家は、「今の日本を相手にする必要はない。10年後、20年後、日本の人口が減少してからのことを考えていればよいのだ」と述べた。
まさにそのとおり。国家の軍隊と警察が不足した際に、日本は他国を包囲する余裕があるだろうか?日本はこのことについて真剣に考えなければならない。中国はといえば、10年、20年後、どのようにして平和的台頭を遂げられるかを考えればよい。日中関係を含む外交はすべて経済にかかっている。(文=蒋豊)
「中国網日本語版(チャイナネット)」2011年10月27日