21世紀に入ってから最初の10年間で中国国民の経済水準は改善され、より多くの家庭が子女の海外留学に必要な経済力をつけた。同時に、中国でも海外の大学と連携して学位を2つ取得できる「ダブル・ディグリー」を実施する大学が増え、中国人学生の海外留学の道は開かれてきた。こうしたことから海外における中国人留学生の数は増加の傾向にある。日本新華僑報が伝えた。
中国人留学生の若年化が進むにつれ、海外での精神面が関心を集める課題となってきている。中国の保護者は子女の将来に期待を寄せる一方、温室で育った子女の精神面は見落としがちだ。
「90後」(90年代生まれ)は「80後」(80年代生まれ)に比べ、いい生活環境や生活条件で育った一人っ子がほとんどで、両方の祖父母と両親に囲まれて甘やかされて育った世代だ。留学後、複雑な勉強やアルバイト生活の中で自らの弱点を見つけ、それを克服して周囲の環境に慣れ、精神的に成長する留学生もいれば、勉強とアルバイトの両立がうまくいかず、精神的プレッシャーをかかえ、適応できないストレスを、社会や国内の両親に転嫁する留学生も少なくない。近年、自分を傷つけたり、社会に危害を及ぼしたり、帰国後、両親を責めるといった留学生にまつわる事件が後を絶たない。その背景には留学生の精神的な弱さがある。
年齢でみると、現在の中国人留学生は80年代に留学した世代の子どもに当たる世代だが、留学時の精神的成熟度は前者と後者では大きな開きがある。