私はアジア人の特質をよく知った人が監督となることも新しい試みだと見ている。その点、杭州緑城は、これまでの一部の人たちの考え方を突き破る勇気があったと思っている。
要するに、世界のトップレベルだけを見て、足元のアジアのサッカー全体のレベルアップを見ないやり方では、いつまでも殻を破れない、と言える。
かつて中国の女子バレーボールチームは日本の大松博文氏(故人)の協力で、新しいブレークスルーをとげたし、シンクロナイズ・スイミングでも日本人監督が協力してくれている。中国女子ハンドボールチームはかつて韓国から監督を招請したこともある。
岡田氏は、今回の行動によって、自分のサッカーをさらに大きくふくらませていくことになろう。私は岡田氏が思い通りにいくことを願っている。そして異なったカルチャーの中でいろいろ苦労することもあろうが、これまでのマスコミでの岡田氏の談話を見ていると、かなり広い広い視野の持ち主であるようにも思えるので、スムーズに行くと思う。ただ、中国人は日本人とかなり違った面もあることも確かで、これは文化人類学の勉強と思って頑張ってもらいたい。そして、1人や2人の日本人に「反感」のようなものをもつ人間にたとえぶつかったとしても、それだけで失望しないようにしてもらいたい。中国人全体のメンタリティーというものはそんなに低くはないので。岡田氏は戦後生まれで、こういうことには、ちゃんとした視点を持っていさえすれば別に気にすることはない。現に私は中国で仕事をしている大勢の日本人ともつき合っており、これらの人たちは広い視野から物事をとらえている。あえて新しいチャレンジをしょうとしている岡田氏にエールを送りたい。
「中国網日本語版(チャイナネット)」2011年12月25日