日本の野田佳彦首相は13日新しい内閣を組閣し、一川保夫防衛大臣、山岡賢次消費者行政担当大臣ら5人の閣僚を更迭した。前民主党幹事長の岡田克也氏が副総理兼社会保障税制一体化改革・行政改革担当大臣に就任し、藤村修内閣官房長官、玄葉光一郎外相ら12人の閣僚が留任した。野田首相が内閣を改造したのは、昨年の就任後初めて。
アナリストは、今回の野田内閣改造は、社会保障・税制一体化改革の推進に有利な内閣をつくり、昨年参議院で野党から問責された2人の閣僚を更迭することで、野党の協力と支持を取りつけることに狙いがあるとみている。しかし野党が消費税率引き上げ問題で協議拒否の立場を固持し、与党民主党内にも消費税率引き上げに強く反対する声があることから、野田氏がこれによって新しい局面を開き、政権を引っ張って苦境を脱することができるかどうか、いまのところまだ未知数だ。
◇内閣改造の二つのみどころ
アナリストは、今回の内閣改造の規模は大きくはなく、5人を更迭しただけだが、その中には注目すべき二つの点がある。第一は岡田克也氏を起用したこと、第二は野党に問責された閣僚を入れ換えたことだ。
新内閣で岡田氏を重用し、政権のナンバーツーに就けたことは、野田氏が消費税引き上げ路線を全力で進めることを意味している。岡田氏の消費税引き上げに対する態度は積極的で、しかも消費税率引き上げを主とする「社会保障・税制一体化改革案」の決定で手柄を立てているからだ。岡田氏を仲間に選べば、野田氏が最重要課題とみている社会保障・税制一体化改革の実現に有利なのは間違いない。
一方、二人の「問題」閣僚を更迭するのはやむを得ないことだった。昨年12月、参議院本会議で野党自民党と公明党が提出した、一川保夫、山岡賢次両氏に対する問責決議案が相次いで可決された。ただ、野田氏はその後、両氏が引き続き職務に全力を上げるよう希望すると表明した。野党はこれに対して、2012年の通常国会で、あらゆる法案の審議を拒否すると言った。
アナリストは、二人の閣僚を更迭した野田氏の重要な目的は野党との関係を改善して、その支持と協力をとりつけ、24日に開会する通常国会で諸法案の審議に参加させることだとみている。