日本のテレビメーカーは既に長きに渡って世界市場で競争を繰り広げてきた。しかし、昨年、下落を続ける市場と東日本大震災の影響で、企業はどこも大きな損害に打つ手がなくなっている。
2月1日、日本のテレビメーカー大手ソニーとシャープは、共に2011年度第3四半期(10-12月)決算を発表し、両社ともに21億米ドル(約1607億円)と23億米ドル(約1760億円)の赤字報告となった。またパナソニックが既に発表した決算も13.5億米ドル(約1033億円)の赤字となっており、日本のテレビ事業は2011年、前代未聞の難局に陥っている。
日本企業が危機的状況に落ちる一方、韓国のサムスンやLGは依然好調な業績を上げており、中国のテレビメーカー、創維(スカイワース)、TCL、海信(ハイセンス)なども状況は厳しいものの、損失が出るまでには至っていない。TCL集団が発表した決算報告によると、2011年の純利益は15億―18億元(約218億円)に達す見込みだ。しかし、中国のテレビメーカーはまだ気を抜いて良いというわけではなく、ソニー、シャープ、パナソニックのテレビは依然、中国のハイエンド市場を牛耳っている。
ソニー新経営体制で赤字脱却か
ソニーは決算報告と同時期に、新しい経営体制を発表し、2005年から代表執行役会長兼社長CEOを勤めてきたハワード・ストリンガー氏に代わり、平井一夫氏が就任する。
平井氏は「テレビ事業の建て直しを促進し、製品のイノベーションを加速する」ことを宣言した。
しかし、ソニーはサムスンやシャープと比べ、コスト面での優勢がないことを忘れてはいけない。サムスンもシャープも完璧なテレビ産業チェーンを形成しており、世界中に大きな製造工場を保有している。
また、アップル社とグーグル社が本来のテレビ機能のほかに、インターネットに接続して様々なコンテンツを楽しむことのできる「スマートテレビ」を年内にも発売すると見られる。これが従来のテレビ業界に大きなゆさぶりをかけることは間違いない。
シャープ、液晶テレビ帝国の巨大赤字
液晶テレビで大成功を収めたシャープは、液晶テレビに泣いた。昨年の全世界規模の財政危機によって、液晶テレビの需要は落ち込み、液晶パネルは生産過剰で価格が大幅に低下した。業界全体が影響を受けるなか、シャープもまた逃げ切ることはできなかった。加えて、昨年発生した東日本大震災の影響で液晶パネルの工場が打撃を受け、シャープに創業以来最大の赤字を招く結果となった。
日本企業は既に敗北したか?