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3月11日の東日本大震災がもたらした経済損失を補おうと、日本政府は賭博を合法化する動きに出ている。日本大阪市の橋下市長は2月28日、「任期中に大阪に正々堂々とカジノを誘致したい」と述べた。『東洋経済』誌によると、150名の超党派の国会議員が連盟をつくり、国会に関連法案を提出し、大型のカジノ建設の合法化を目指すという。法案が可決すれば、5年以内を目途に合法の大型カジノの誕生を目指す。
自民党議員の岩屋毅氏は「カジノは観光産業を盛り上げ、就職問題の解決にもつながり、地方経済を促進する効果がある」と公言している。この法案は様々なところで議論を巻き起こしており、この機に動きださなければ、チャンスを逃すことになるだろう。橋下市長は、カジノは日本を「強国」にする効果があるとまで言っている。「日本はギャンブルを遠ざける傾向にあったために、お坊ちゃんやお譲ちゃんの国になってしまった。日本を強い国にしたければ、このカジノ合法化法案を通して欲しい」と国会議員に願い出ている。
大阪、東京、神奈川、千葉、沖縄などでもカジノ誘致の動きは積極的で、2003年以来、カジノ創設に関する話し合いは毎年のように行なわれてきた。『ウォールストリート・ジャーナル』2月29日付の記事によると、日本のカジノ合法化の裏には実は、アメリカ賭博業界も絡んでいるという。また、アジアの一部地域の賭博業による利益も魅力的な点である。肝心なのは、日本には経済の下落を食い止めるような新しい成長産業が必要なのだ。
日本では、パチンコとオートレース、ボートレース、競馬などを除く賭博は、全て現行の法律では許されていない。ここ10年ほど、日本に大型のカジノを建設することを提議している政治家は多いが、国内の圧力があまりにも大きいために、大きな進展は見られなかった。しかし、昨年の東日本大震災を受けて、日本の各業界は賭博に関して寛容になってきている。その主な要因こそ、賭博業がもたらす巨額の利益である。英『ガーディアン』紙によると、シンガポールのマリーナベイサンズカジノは2011年、130億米ドルにも上る税収で政府の収益に貢献しているという。