今回の勝利だけで岡田の「日本流改造計画」の成否を論じることはできない。しかし、すでに中国で3か月近く教えてきた日本人コーチとして、岡田は中国サッカーの要点を押さえたようだ。「(中国のサッカー選手は)まだプロとは言えない」。これは岡田が日本メディアの取材に対して述べた言葉である。かつては「中国のサッカー選手は身体能力では日本より上だ」と考える人が多かった。しかし岡田はこれを否定する。「彼らに自主トレをさせても、中国の選手はまじめに練習しないのだ。本質的な部分で、彼らがJリーグの選手より弱くなるのも当然だ」。
サッカー選手の「プロ意識の欠如」に対し、岡田が図ろうとしているのは「管理からの脱却」である。球団が選手に住居を提供するのは集中管理できるからである。しかしこのような管理は、本質的な問題解決にはほど遠い。岡田は年少チームから7人を抜擢し、チームをさらに若返らせた。しかし管理はさらに困難になる。彼らに対し門限を課すことに、岡田は婉曲に拒絶した。心理面における門限のほうが、実際に門限を設けて管理するよりはるかに大切だからだ。「なぜなら、彼らはプロなのだから」。もうひとつ、面白い話を中国のサッカーファンに伝えたい。杭州緑城が日本で集中キャンプを行ったとき、多くの選手が更衣室で携帯ゲームをしていた。また、試合の最中に補欠ルームで記念撮影をしていた。岡田はこれらを見て「プロじゃないな」と冷笑した。「良い言い方をすれば純粋無垢、悪い言い方をすれば子供っぽい。これを変えなければ真の進歩はない」。岡田が初めて中国にやって来たとき、中国の一人っ子政策を知った。しかし選手の振る舞いは、岡田の想像する一人っ子のワガママぶりをはるかに超えていたようだ。
「中国網日本語版(チャイナネット)」 2012年3月27日