資料写真:上海市長(右)と会見する橋下徹大阪市長(2010年7月)
近日、日本の橋下徹大阪市長が率いる「大阪維新会」が注目されているが、維新会が打ち出した「船中八策(維新八策)」は更に大きな話題を呼んだ。これに対し、自民党の谷垣禎一総裁は「戦前の日本軍部やヒトラー、ムッソリーニが台頭した時の状況を想起させる」として、警鐘を鳴らした。22日付の『澳門日報』が伝えた。
橋下氏は日本の政治界において、急速に台頭してきた改革派の新星である。2010年4月に「大阪維新の会」を設立し、日本の改革を主旨とした「維新八策」を打ち出し、物議をかもしている。また、橋下氏は「日本の政治には独裁が足りない」と明言しており、多くの右翼派政治家たちの賛同を得た。その中には、近日「南京大虐殺の存在を否定した」河村たかし名古屋市長や、大村秀章愛知県知事などがいる。保右翼保守政治家であり、独立独歩で有名な石原慎太郎東京都知事でさえ、「大阪維新の会」の主張をずっと支持しており、橋下氏に賛辞を送っている。
谷垣氏の見解によると、維新の会が急激に勢力を拡大したのは、与野党の政治政権では衰退していく国家情勢をひっくり返す事はできないと国民が不安を感じ始めているからである。「今の日本は現在の政党に失望し、第三極が期待を集めている。『維新の会』は現存の政党に不満を感じている人のより所となっている」と谷垣氏は分析している。今年2月20日、共同通信社の世論調査の結果によると、「大阪維新の会」の国政への進出に関して61.2%の人が支持している。「維新の会」は、次期衆議院選挙において、全国範囲で300名の候補者を擁立し、200席の議席獲得を目指している。
1980年代後半から1990年代初頭にかけて、バブルが崩壊して以降、日本経済は10年以上続く不景気のどん底にあり、今も抜け出せずに低迷が続いている。少子高齢化、失業率の上昇、年金問題など妥当な解決手段が見つからない問題が山済みとなり、加えて大災害が追い討ちをかけ、一部の国民の民主党政権に対する信頼感は消失してしまっている。そのような状況の中、「大阪維新の会」はここぞとばかりに「維新八策」という切り札を出し、人々の変化への願望に合致したのだ。しかし、今の滅茶苦茶な政治体制や「維新八策」「大阪維新の会」を取り巻く右翼保守の政治勢力は、自己中心的で、事態を硬直化させるのではないかという懸念が広がる。
日本は資源が乏しい国で、90%近くの資源は輸入に頼っている。敗戦後の挫折感と不十分な資源によって、日本は自身の生存環境を極度に意識するようになった。他の民族に比べ、すぐさま過剰な反応を示すようになった。日本人が改革を求めるのには理由がある。しかし、問題は仮に橋下氏の構想が実現した場合、日本は現在とは全く違った姿に変わるだろう。歴史から得た教訓を忘れてはいけない。日本も国際社会も日本の軍国主義が甦ることに警告を発するべきである。
「中国網日本語版(チャイナネット)」 2012年3月26日