(写真)2011年東日本大震災で「失踪」した大型漁船
アメリカ沿岸警備隊は現地時間5日、昨年の東日本大震災の津波で流され、アメリカのアラスカ沖合まで漂流した漁船を砲撃して海に沈める措置に成功した。
沿岸警備隊は、無人で制御不能の漁船は、付近を航行する船舶の安全を脅かす恐れがあるため、今回の措置を行なったと説明。米海洋大気庁(NOAA)は、漁船の撃沈は「最善の選択」と評価した。
漁船は「ゴーストシップ(幽霊船)」と呼ばれ、全長約50メートル、元は日本青森県の港に係留されており、昨年3月の大震災による津波で流されたようだ。海上を1年余り漂流し、太平洋まで横断して北アメリカ近くの海域に流れ着いた。先月、カナダが先に漁船を確認したという。
アメリカ側が公開した写真を見ると、撃沈される前の漁船の船体に目立った大きな損傷はなく、ただ全体的にサビついており、剥がれ落ちている部分も見られた。
沿岸警備隊は同日、4時間かけて砲撃を続け、漁船を沈没させた。沿岸警備隊の巡視船が砲撃を開始すると、漁船は黒い煙をもくもくと上げて燃えたが、ゆっくり時間をかけて沈んだという。
漁船の照明や通信システムは既に故障していたが、2000ガロンの燃料が残っていた可能性がある。専門家によると、漁船が海底に沈没すれば、石油が漏洩して自然に広がり、沿岸の生態系に深刻な影響を及ぼす事はない。
漁船は現在、アラスカ沖合に沈んでおり、水深は約300メートル、アラスカ海岸から241キロメートルの地点である。
「中国網日本語版(チャイナネット)」2012年4月6日