一見するといい事尽くめのナンバーだが、日本においては全ての人がこの「マイナンバー」に賛同しているわけではない。
まず、導入コストに6,000億円もの大金を要する。そして、個人のプライバシーがこのナンバーによって全て政府の管理下に置かれることを心配する声もある。特に富裕層は、自身の海外における高額の金融取引がこのナンバーを通して政府に知られてしまうことを恐れている。彼らは政治家に対し、金融取引においてこのナンバーを使用するという条項を取り消すよう繰り返し求めている。しかし、これはまたマイナンバーの最も重要な導入意義の一つなのである。
中国でいう「戸口」は、日本では「住民基本台帳カード」と呼ばれ、子どもが生まれればその出生届によって、戸籍を得ることができる。農村部から東京に移住しても、固定の住所さえ持っていれば、所在地の役所で戸籍を得ることができる。しかし、この住民基本台帳カードの普及率はわずか5%だという。日本の人口は、最終的には一体どんな情報をもとに統計されているのだろうか。
「マイナンバー」が施行されれば、政府はより確実に住民の状況把握ができるようになる。「マイナンバー」導入のメリットについては政府もたくさん挙げているが、どうしても政府に有利なようにしか聞こえてこない。
導入まであとわずか三年だが、いまだその細部において論争が絶えない。
「中国網日本語版(チャイナネット)」 2012年4月7日