近日、日本の福島県でタクシー運転手の伊藤被告が自身の5歳の双子の息子に硫酸を混入した目薬を差し、失明させた事件がマスコミで大きく取り上げられ、世論を震撼させた。しかし、このような事件はこれだけに止まらない。2011年の1年間で、警察が把握しているだけでも、全国の家庭内暴力事件は30万3745件に上り、2010年に比べ6.9%増加しており、統計開始以来、最多となった。更に懸念されるのは、家庭内暴力事件において、親が子どもを虐待するケースが最も多いということだ。2011年だけでも3694件に達し、2010年に比べ6.8%の増加となった。その上、虐待の被害者の多くが1歳未満の乳児である。
なぜ、このよう礼儀正しいイメージの「文明国」で、多くの親が自分の子どもにおぞましい虐待をする事件が起きているのだろうか。日本の若い父親や母親の責任感が著しく欠けていること、きちんとしたアドバイスを得られないこと、離婚率が不断に高まっていることが原因となっているのではないだろうか。
「できちゃった結婚」をした夫婦の精神は極めて未熟で、責任感の欠乏が甚だしい。虐待の被害者は1歳未満の乳児が最も多いことからも分かるように、虐待をしてしまう親の多くは、まだ「お父さん」や「お母さん」になりたての若者である。性解放のイデオロギーの元、日本の若者の貞操観念は益々薄らいできている。そんな中、予期せぬ妊娠をし、できちゃった結婚をする人がどんどん増えているのだ。
「一夜にして」父親と母親になってしまった若者は、心の準備など全くできていない状態であり、子どもが生まれても、認識や自覚が持てない人も多い。そのため、仕事や生活のストレスを発散する対象が何の罪も無い子どもになってしてしまうのだ。このように責任感がない若い親にとって、子どもは歓迎されない小さな命なのである。