5月3日は日本の憲法記念日にあたり、現行の日本国憲法が施行されて65周年を迎えた。日本の各保守勢力は現行憲法を批判、憲法改正を主張し、自民党が憲法改正草案を提出したが、メディアや国民の反応は冷ややかだった。四方敬之内閣副広報官が中国新聞社の取材に、野田政権の主要課題は社会保障と税の一体改革で、憲法改正は議事日程にないと話した。
先月27日、自民党は憲法改正草案を発表、天皇を「日本国の象徴」から「日本国の元首」と位置づけ、現行の憲法に規定されていない国旗・国家を憲法に盛り込むよう主張。さらに、「自衛隊」を「国防軍」とし、集団自衛権を認め、外部からの武力攻撃や大規模自然災害 を「緊急事態」と規定し、内閣総理大臣が緊急事態を宣言し、緊急事態の下で発令された政令が法律と同等の効力をもつことを規定した。憲法改正案の発議要件を現行の衆参両院の各3分の2以上の賛成から、各院の過半数の賛成に緩和。みんなの党やたちあがれ日本も同じような憲法改正草案を発表した。
これらの政党のほか、人気の高い橋下徹大阪市長率いる地域政党「大阪維新の会」も参院廃止、首相公選、道州制、憲法発議要件の緩和などを骨格とする「維新八策」を発表した。
日本の右翼代表ともいえる石原慎太郎東京都知事の場合はさらに極端で、日本の現行憲法は自主性と正当性に欠けるとし、廃止して新憲法を制定すべきだと主張した。
保守勢力の憲法改正論議や動きは予期した通りの効果がなかった。自民党と長く連立を組んだ公明党は現行憲法は「非常にいい」との見方を示し、自民党の憲法改正論議に参加しなかった。与党・民主党内の対立は深刻で、課題が山積しており、憲法改正を議論する余裕などない。日本の主流メディアは、保守勢力世論の陣地である「産経新聞」が連日大きく紙面を割いて関連内容を報道した以外、他はいずれも小さく報じるにとどまった。