基準排水量1万トン以上の大型補給艦「おうみ」がインド洋をゆっくりと航行し、護衛艦「むらさめ」がそれを見守る。日本自衛隊の初の海外拠点の開所記念式が昨年、アデン湾西岸にある「アフリカの角」ジブチで行われた。
「海軍強国」である日本が進める、護衛を理由に海外進出をはかり、「平和憲法」の拘束から逃れ、いわゆる「普通の国」になる動きは順調にいっているように見える。
ところが、地球の別の場所で、日本はかなり苦しんでいる。在ニューヨーク日本国総領事館は「ニューヨーク・タイムズ」が掲載した独島(日本名:竹島)の観光広告に抗議した。そのほか、プーチン氏の北方四島問題を最終決着させたい考えは罠だと主張したり、釣魚島海域を巡航する中国の海洋監視船とのやり取りでも過ちを犯すなどしている。
日本が「普通の国」になるのはなぜこれほどまでに難しいのだろうか。方法が間違っているのか。「普通の国」になりたいという目標自体に問題があるとでもいうのか。
小沢一郎氏は1990年代、日本は「普通の国」になるべきだと主張した。それには、経済力をつけた日本は「普通の国」が持つ権力を備えるべきという論理が込められている。つまり日本は軍隊、さらには核兵器を保有できるということだ。日本は憲法改正と常任理事国入りという2つの方法で「普通の国」になり、「集団的自衛権」を持ち、国際的な影響力を高めようとしている。
日本は「敗戦国」から「普通の国」になることを強調し、日本人の共通認識にもなりつつあるように思えるが、期待していた効果は得られていない。
その主な原因は、多くの国が日本のいわゆる「普通の国」に込められた論理に疑問を持っていることだ。日本の「普通の国」には、「敗戦国」から「普通の国」になること以外に、地域の軍事強国から世界の軍事強国、さらには覇権国になるという望みが込められている。日本はさまざまな「小細工」を行い、「平和憲法」が名ばかりのものとなり、過去の戦争での罪を直視できずにいるため、周辺国は日本に対する不信感を強めている。
日本には2つの選択肢がある。1つは、憲法改正と常任理事国入りを引き続き進めていわゆる「普通の国」を目指すことだ。ところが、この方法は今のところ実行できない。もう1つは、「普通の国」に込められた論理と実現方法を見直すことだ。論理については、世界の軍事強国、さらには覇権国になることを企むのでなく、本質に戻って普通の国になる必要がある。方法については、閉鎖・陰謀的でなく開放・透明な方法で、他国との摩擦や対抗でなく交流や協力を通して目標を実現しなければならない。こうして初めて、日本の「普通の国」の論理と努力が世界に認められる。
行き詰った現状を変えるため、日本はある程度変わらなければならない。野田佳彦首相は昨年の訪中時に、東中国海を「平和・協力・友好の海」にする方向で協議を進めたい考えを示し、双方は外務次官級の海上での危機管理メカニズムを構築することで合意した。しかし、日本の近ごろの行動を見ると、合意事項を実行する誠意は伝わってこない。
「中国網日本語版(チャイナネット)」2012年3月23日