◇「政治生命を賭けた」消費税率引き上げ
野田総理は、現行5%の消費税の税率を2014年4月には8%に、2015年10月にはさらに10%まで引き上げる消費税法案の成立に「政治生命を賭ける」と言い切っている。
消費税率引き上げに対し、日本国民からの反発はそれほど大きくないと言っていいだろう。だが、無駄な歳出の削減をきちんと出来ているのか?民主党政権にその具体的な対策はあるのか?まず国民に示さなければならないことができていない。
歳出予算をもう一度組み直せないか?議員数の削減は可能か?野田総理はこうした問題には触れようとせず、増税による安易な歳入拡大を主張するだけである。
また、消費税率を上げたからといって、果たして歳入が増えるのか?野田総理とて確信はないはずである。
うまみにあずかって来た者達を斬ろうともせず、増税を国民に納得させるすべはあるのか?これは、野田首相にとって、原発政策の見直しと同じくらい難しい対応を迫られていることは間違いない。
◇小沢氏の攻勢
民主党内では小沢一郎元代表らのグループが主流派であるのは周知の事実だ。小沢グループの政治影響力を排除しなければ、民主党代表としての政治力を揮うことはできない。民主党内における小沢グループの数は最多時で150人、最少時で120人と、常に100人を超えている。その他の派閥に、50人を上回るものはないというのに、だ。
党内最大勢力を率いる小沢元代表は、無罪判決が下されたことを機に、今まで以上に活発な政治活動に勤しんでいる。野田総理とても無視できる存在ではない。特に、消費税増税問題、原発問題においては、野党の反対よりも、派閥規模上、圧倒的優勢を誇る小沢支持勢力から反対されればひとたまりもない。
「中国網日本語版(チャイナネット)」 2012年5月17日