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奥井禮喜：デンマークとオランダの良い話

タグ：日本　国土　面積　国民　研究

発信時間： 2012-06-05 13:41:27 | チャイナネット | 編集者にメールを送る

文＝奥井禮喜

デンマーク王国もオランダ王国も国土面積は、小さい日本より小さくいずれも九州並み。人口は前者が558万人、後者が1,674万人である。1人当たりGDPは前者が56,147ドル、後者が46,986ドル（日本43,000ドル）だ。

両国とも訪れてみたくなるような良い話がある。「デンマルクの話」（内村鑑三）と「科学者の自由な楽園」（朝永振一郎）から簡単な紹介をする。

デンマークは8〜11世紀にヴァイキングが大活躍した。14世紀後半最盛期だったが、17世紀以降は相次ぐ戦争に敗北する。対プロイセン戦争（1864）に敗北して南部のシュレスウィヒ州とホルスタイン州を割譲した。

狭小な国土、少ない国民が最良の2州を失い、残ったのは荒漠たる土地のみという有様だった。「最悪だなあ」というのが人々の挨拶だったという。

E.M.ダグラス（当時36歳）は工兵士官として戦争に参加した。土木・地質・植物学者でもあった。国土の大部分を占めるユトランド半島の荒地を肥沃にする企画を考えた。ユトランドは国土の1/2以上、1/3が荒地であった。

灌漑を作り、常緑低木のヒースを駆逐し、馬鈴薯・牧草を植えた。ノルウェー産の樅の木を植えたが数年で枯れ再挑戦。アルプス産の小樅も植える。樅と小樅がうまく育つ。しかし樅はある程度成長するとそれ以上伸びない。

長男フレデリックも植物学者になった。彼は小樅が樅の成長を邪魔しているのではないかと考え、樅がある程度成長した段階で小樅を切り払った。40数年後20世紀初頭には山林が15万エーカーから47万エーカーに増えた。

植林成功によって夏期の降霜は止み、さまざまの野菜の植生が可能になった。海岸からの砂塵も防ぐことができ、砂丘増加が止まり、洪水が減った。

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