日本最大のネット右翼「在日特権を許さない市民の会」(略称・在特会)の規模は1万人を上回る。いたって普通の日本人が主なメンバーだ。
普通の日本人が「在特会」に入会し、ネット右翼となる動機の一つは「被害意識」だ。日本のネット右翼と行動右翼は違う。行動右翼組織には「永遠に滅びない大日本帝国」という核心的思想があり、すべての行動がこの核心的思想の下に行われる。一方、ネット右翼には核心的思想はなく、あるのは生活の現状に対する不満や将来に対する不安だけ。彼らに必要なのは責任を他人になすりつける理由で、それで中国と在日華人を敵視している。日本社会の底辺では、中国が日本の地位を奪い、在日華人が彼らの仕事を奪ったと考える人が少なくない。こうしたはけ口のない「被害意識」が日本人をネット右翼組織に走らせるのだろう。
ネット右翼組織は「出入り自由」で、一般会員にプレッシャーはない。行動右翼の組織内には等級付けがあり、会員は歴史を理解し、授業を受け、皇室の家系図をすらすら言えるよう覚えなければならない。それに対しネット右翼には読まなければならない本も、理解しなければ知識もない。ただ「在特会」などの組織のウェブサイトにメールアドレスを登録するだけで「在特会」の会員となる。「在特会」は現在日本全国に1万1千人の会員がいるが、実際集会に参加し、行動する会員はそのうちの1%にすぎない。つまり「在特会」は入会したければ入会し、退会したければ退会する、不満を発散したい時にウェブサイトで悪口を書き込む、感情のはけ口のような役割を果たしている。