政権与党の民主党はこのほど、消費税問題で苦境に立たされている。赤字国債と財政赤字による危機を受け、野田首相は消費税の増税を主張しているが、小沢前党首が反対の立場を示しており、党分裂も辞さない構えを見せている。政権与党となって間もない民主党が、消費税問題を乗り切ることができるか注目だ。
消費税は日本の政界にとって厄介な問題であり、日本政府はこれまで「消費税改革」を迫られてきた。日本は1989年より消費税を導入したが、わずか1か月後、当時の竹下元首相が消費税等の問題により辞任を余儀なくされた。橋本元首相は1997年に消費税率を3%から5%に切り上げたが、その2年目で辞任に追い込まれた。消費税はその後「政界のタブー」となり、めったに取り沙汰されることがなかった。
2011年に東日本大震災が発生し、復興等の問題により日本政府の財政赤字が拡大した。また赤字国債の問題も深刻で、日本は世界一の赤字国となっている。今年3月現在、日本の借金が960億円(GDPの2倍以上)に達した。三大格付け会社(フィッチ、スタンダード&プアーズ、ムーディーズ)は、日本国債の格付けを引き下げた。国際通貨基金(IMF)も日本に対して、消費税率を15%以上に引き上げるよう提案した。
危機に直面した野田首相は、6月4日に第二次内閣改造を行い、野党の消費税法案に対する支持を取り付けた。民主、自民、公明の3党は6月21日、消費増税を柱とする税と社会保障の一体改革関連法案が、衆院一体改革特別委員会で可決された。同法案が衆議院本会議で可決されれば、消費税率は2014年4月から8%に、2015年10月から10%に引き上げられる。
目的のためなら手段を選ばないとされる小沢氏は、野田首相の強行手法に対して不満を示している。小沢氏は6月21日、衆議院本会議で同法案が採決される際に反対票を投じ、民主党からの分裂もあり得ると示唆した。すでに50名を超える議員が追随の構えを見せており、同法案が強行可決された場合は集団離党・新党設立を宣言する。その場合、小沢氏の離党は3度目、新党設立は4度目となる。
小沢グループは衆議院のみで約90名に達し、民主党内最大の派閥となっている。離党議員が54名に達した場合、民主党は衆議院の過半数を占めることができず、野党による内閣不信任案が可決されやすくなる。野田内閣は数々の危機に直面しており、民主党の国会における地位にも影響が生じている。
日本メディアが22−24日に実施した世論調査によると、野田内閣の消費税法案に対する支持率は36%、不支持率は52%に達した。6月26日が「民主党分裂の日」となるか、国際社会から注目が集まっている。
「中国網日本語版(チャイナネット)」 2012年6月26日