日本でのショッピングで最も印象的なのは、日本で「Made in Japan」のものを買うことがどんなに難しいかということである。大きなデパートでも小さな商店でも、更にはスーパーに至るまで、ありとあらゆる商品、服から靴、バック、日用品、食品まで8割方は「Made in China」である。案内してくれた日本の友人は冗談半分に「日本の不景気が続いている理由がようやくわかったでしょ。日本の製造業は全て中国人に打ち負かされてしまっている。日本では『Made in Japan』のものは手に入らない」と言う。
この話は唯の笑い話ではない。今までは、中国の製造業が占拠したのは日本のローエンド市場だけだと思っていたが、大阪で一番高級なデパートの5万円のコートでさえ「Made in China」であると知ったとき、今の中国の製造業はもはや低価格での投売りをしていないことに気づいた。なぜなら、日本製の高級な洋服の価格と大した差も無く、中国製の質は既に日本に完全に対抗できるレベルになっているのだ。
そして、日本で受けたもう一つの衝撃は、日本の市場の細分化が非常に優れているということだ。電化製品、洋服などの大型商品は言うまでもなく、文具や雑貨などを扱う「LOFT」では、単純にセロハンテープだけでも数十種類と選択肢があり、テープの細さや材質、模様がついているものや、色がついているものまで様々だ。買い手では思いつかないようなところまで、売り手が代わりに周到に考えてくれている。買い手は必要性に応じて、最も満足できる商品を選ぶことができるのだ。
日本の友人は「現在の日本の商品市場は既に極めて成熟している。企業が荒稼ぎをする時代は終わり、利益を得たいと考えるならば、商品にこだわる必要がある。商品のデザイン、質においてライバルよりもより良いものを市場に送り出してこそ、生き残ることができる」と言う。これは中国の企業が学ぶべき点である。
中国の企業は往々にして、最初にブランドを確立する時には、絶えず商品に磨きをかけ、より良いものを生み出そうと努力するが、一旦商品の販売ルートが確立され、或いはある程度知名度が上がると、より多くの利益を求める方向に走ってしまう。商品の質は次第に悪くなり、サービスも年々悪化していく。そのため、多くの企業の人気は長くは続かず、市場の熾烈な競争の中で、数年後には姿を消してしまう。中国の企業が長期的な視野を持つことを切実に願う。目先の利益を追い求めて急ぐのではなく、真に良質な商品を生み出し、買い物する我々が商品を手にしたときに質の問題を心配することがないよう努力して欲しい。
「中国網日本語版(チャイナネット)」2012年6月26日