多事多難だった2011年、日本が誇りとする製造業は大きく低迷した。最新の統計を見ると製造業は回復し始めているが、各産業で同様の動きが見られるわけではない。外部の経済情勢を見ても、自国の経営環境を見ても、日本の製造業が輝きを取り戻すまでにはまだ時間がかかると見られる。
業種別に見てみると、日本の自動車の需要は震災後の低迷期より徐々に回復している。日本自動車工業会の発表によると、2011年の自動車生産台数は前年比12.8%減の約840万台で、2年ぶりの減少となった。しかし、需給状況は昨年秋から正常な水準に戻り、トヨタの各地の生産ラインも生産を再開している。資料によると、2011年末のトヨタの受注台数は、前年の3倍の27万台に上った。日本自動車工業会も2012年の需給状況に対して楽観的な見方を示し、2012年の旅客輸送車両と商用車の需要は前年より19.1%増加すると見込んでいる。
一方、精密機械製造などの一部の産業はまだ完全に回復していない。電子製造業では、日本の大手数社が2011年度に赤字を計上。ソニー、パナソニック、シャープなどは2012年3月期の連結業績予想を下方修正した。日本の資産管理会社は、生産量と消費量に差があることから、電子消費財市場の好転の兆しは見られないとしている。電化製品の中で輸出が多い超薄型テレビやデジタルカメラは生産を海外に移し、国内生産を縮小。AV機器の貿易赤字は前年の2倍に上り、海外市場は韓国製品に占領された。
外部の経済環境も日本の製造業の回復に好条件を与えていない。2012年初め、欧州債務危機や円下落などの要素は今年の製造業の見通しに悪影響をもたらした。財務省が発表した2011年の貿易統計(速報値)によると、貿易赤字額は2兆4927億円に達した。1980年の第2次オイルショック以来、31年ぶりの貿易赤字となる。さらに、日本の製造メーカーが「国外逃亡」している現象に注目したい。多くの企業は生存・発展、利益重視という戦略的考えから、生産構造の調整と改革に力を入れ、国内生産を減らし、国外投資を行うようになっている。「日本経済新聞」の調査によると、2011年の製造業の国内設備投資は前年比2%減少したが、海外設備投資は同2%増だった。
「中国網日本語版(チャイナネット)」 2012年2月6日