日本の現状を一言で表すとすれば、「人格の分裂」だと思う。政治、安全、外交において、日本は米国を真似し、中国をけん制・包囲するという戦略をとっている。経済においては、中国の急成長に乗じて中国市場から利益を得ている。2002~03年、中国経済に助けられ、がけっぷちに立っていた日本は経済成長を実現した。2008~10年、世界経済危機の影響を受けるはずだった日本は、再び中国経済に救われ、回復を遂げた。考えてみれば、世界のどれほど優れた理論に基づいて出された「モデル」も、このような構造がねじれ、ひどくバランスを失った混乱状態の中で続けることはできない。まして、モデルの再構築などもってのほかだ。
日本には、震災の危機を通して民衆に「危機感」を持たせ、危機の中での台頭を望むエリートがいることも確かだ。ところが、現在の日本には思想や行動の乱れ、戦略の迷いがあると同時に、中国に対して強硬的な勢力を拡大し、影響力を高める動きもある。このような状況を考えると、日本はどのように新たな発展戦略と日本モデルを打ち出すというのだろうか。中国は、どのようにねじれた日本に対応し、日本が中国けん制を続けず、協力して双方が利益を得られるかを真剣に考えるべきである。(作者 商務部研究院の研究員)
「中国網日本語版(チャイナネット)」 2012年7月6日