中国の台頭が、中日の安全保障に変化をもたらしている。近年、釣魚島(日本名:尖閣諸島)、領海主権、資源開発を巡る争いにより、両国の政治的相互信頼が損ねられている。これに一部メディアの悪意ある報道により、上述した問題が複雑化し、解決が困難となっている。米国の元外交官はこのほど、「一山不容二虎」(一つの山には二頭の虎が住めない)により、中日関係を形容した。3日付け台湾紙「旺報」が伝えた。
中日経済は長期的に、依存と競争の関係であった。現実の利益、地理的要因が、中日関係を切っても切れないものとした。日本の中国に対する直接投資額は、累計800億ドルに達した。安定的な両国関係の維持は、日本の戦略的な利益に合致する。日本政府は今年7月1日より、東北地方の被災3県を訪れる中国人観光客を対象に、有効期間3年の数次ビザを発行しているが、その目的は言わずと知れたことである。
歴史問題と領土問題を巡る争いは、両国関係の発展の脆弱さを露呈した。2010年の漁船衝突事件後、釣魚島問題は両国間の争いの火種となっている。東京都の石原慎太郎都知事は釣魚島の買い取りを主張し、中日関係の緊張を高めた。中日で発表されている世論調査のデータによると、両国の回答者の過半数が、釣魚島問題が中日関係の発展に最も大きな影響を与えるとした。
日本はこのほど、中国に対して挑発的な態度を示している。国内では核兵器に関する議論がタブーでなくなり、今年6月下旬に衆議院で可決・成立した原子力規制委員会の設置法は、「わが国の安全保障に資する」とする文言を追加し、核兵器による中国への対抗をほのめかした。海外では南中国海の争いに積極的に介入し、フィリピンやベトナム等の国家を支持し、同問題を国際化している。日本は1000トン級の巡視船10隻をフィリピンに提供するとしており、日本が主催する太平洋・島サミットを利用し、「南中国海の航行の自由を尊重する」を明記する方針を固めた。