文=コラムニスト・中川幸司
みなさんこんにちは!暑さに負けていませんかっ!?
なんといってもこの一週間はロンドンオリンピック!!! オリンピックのリアルタイム中継で寝不足の方も多かったのではないでしょうか。中国も金メダル獲得数一辺倒主義から転換しだしたとも言われますが、「参加することに意義あり」とは良くいったもので、メダルの獲得有無によらず出場されている選手のみなさんそれぞれが本当に輝いていますね。感動を与えてくれます!選手の皆さん引き続きがんばってください!!!
今日はオリンピックにちなみまして、スポーツ産業に注目してみましょう。
「スポーツ」そのものは本来人間が運動する行為でありますが、この産業化・商業化という意味において考えますと、簡単に言えば、スポーツ実施者(スポーツ選手)ならびにスポーツ観戦者を対象としたビジネス行為ということができるでしょう。スポーツ実施者へのビジネスはスポーツ設備サービス業、スポーツ用品製造販売業といったハードウェア的な要素が強く、またスポーツ観戦者へのビジネスは観戦者を楽しませるためのエンターテイメントビジネスでありソフトウェア的な要素が強いわけですね。
この2系統のビジネスアプローチは、ともにスポーツ産業の重要な核でありますが、ビジネス手法によっては利益が何倍にも増加することが出来る(また、大損することもしばしば)という側面がありますので、マーケティング的に面白いのはソフトウェア的ビジネスに軍配があがります。ここ数十年の世界的ビジネス史を振り返れば、オリンピックやサッカーワールドカップに代表されるようなスポーツ観戦者のためのビジネスは、大きな利益を生み出す源泉であることは間違いないでしょう。
スポーツ観戦ビジネスは、エンターテイメントコンテンツビジネスのひとつであると考えられます。
たとえば、水泳のスポーツ選手が水泳を体育館で一人だけでやっているとして、これを直接観戦することは、それほど面白くないかもしれません(面白いと思う方もいらっしゃるとは思いますが、大衆的エンターテイメントではありません。)。しかし、これが「一人のスポーツ実技」ではなく「多人数の競技」として他の水泳選手と一緒に競争し、世界レベルの多くのトップアスリートが集まってくればくるほど競技レベルの高さがあがり、「コンテンツとしての価値」が増加することになります(観衆を熱狂させます)。そして、オリンピックレベルの「コンテンツ価値」になりますと、もはや現場で見るどころか、地球の裏で、ライブ中継でなく録画のもの(バーチャルとなってしまったコンテンツ)であっても結果が気になるほど、見る者をエキサイティングさせるコンテンツとなるわけです(もちろん、オリンピック会場現場でみていればより一次情報が多い、いわゆる臨場感があるので、コンテンツ価値は上がります。)