中川幸司:Study from メダリストフィーバー

中川幸司:Study from メダリストフィーバー。 オリンピックは、オリンピック組織委員会が近代になって方針転換に成功し、商業化を大いに成功させた一例でありますが、日本や中国のスポーツ振興(政策)に着目してみますと、米国等のスポーツコンテンツ産業発展国に比べて、それぞれ国内のスポーツコンテンツ産業発展が弱い部分がまだ多くあります。この原因は、これまで日本でも中国でも、スポーツ産業の発展についてスポーツ実施者を対象とした施策が多かったからであります…

タグ: オリンピック スポーツ 産業 ビジネス 

発信時間: 2012-08-06 09:56:26 | チャイナネット | 編集者にメールを送る

 

もし、ある国の文化としてのスポーツ振興のためには、ビジネス的成功が必要であるのならば(文化振興にも経済資源が必要なので)、コンテンツ産業に対する経営学的ノウハウが文化振興政策において必要ということができるでしょう。同様に、音楽、絵画などの芸術にも同じようなことはいえます。

オリンピックは、オリンピック組織委員会が近代になって方針転換に成功し、商業化を大いに成功させた一例でありますが、日本や中国のスポーツ振興(政策)に着目してみますと、米国等のスポーツコンテンツ産業発展国に比べて、それぞれ国内のスポーツコンテンツ産業発展が弱い部分がまだ多くあります。この原因は、これまで日本でも中国でも、スポーツ産業の発展についてスポーツ実施者を対象とした施策が多かったからであります(スポーツコンテンツよりも「スポーツ教育」に関連する管轄の範囲が大きかった)。それよりも、スポーツ振興のための大きな経済的源泉を得るためには、先程挙げましたようにスポーツ観戦者を対象としたコンテンツビジネスとしての手法を導入した施策が必要といえるでしょう。

いくつかの欧州の国々、米国ではすでに実施され、成功している例も多くありますが、エンターテイメントコンテンツビジネスとして国内スポーツをとらえて、教育政策ではなくコンテンツ産業政策としてスポーツ産業を盛り上げていくという方向に日本・中国の政策舵取りができれば、日中の両国にはまだまだ国内発展の余地が莫大に残っているといえますね。

とくに中国は近年のスポーツコンテンツビジネス市場需要量増大の割に、これまで手付かずであった事業分野が多く、しっかりとこれが制度化されれば非常に有力なビジネス化しやすいコンテンツとなっていくと思われます。例えば、アメリカのバスケットボールコンテンツの「NBA」は日本でも長年注目を集めていますが、今後中国のスポーツコンテンツビジネスの発展に伴い、中国独自のスポーツコンテンツビジネスが日本に輸出され、日本人が大いに熱狂するということもあるでしょう。(ちなみにスポーツコンテンツの輸出入というテーマでは、NBAよりは小規模ながらも、日本のJリーグもすでに中国国内でファンがいらっしゃるようです。)

折しも今年、日中国交正常化40周年の単発文化交流イベントが多くあります、それはそれで「単発一点主義」のセレモニーとして良いのでありますが、スポーツ等のエンターテイメント分野における地に足のついた「ビジネス交流の延長線上にある文化交流」こそが、「継続多面主義」の施策として、両国の文化的な親近感、すなわち友好的交流を高めるための助力になっていくのではないでしょうか。

さーて、今日もオリンピック、楽しんじゃいましょう!!!寝不足にはご注意を!(^_^;)

(中川幸司 アジア経営戦略研究所上席コンサルティング研究員)

中川幸司さんのブログ「情熱的な羅針盤

「中国網日本語版(チャイナネット)」 2012年8月6日

 

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