外交の面を見ると、日本は冷戦思考を取り戻し、米国を頼りに地域で主導的立場に立ちたいと考えている。野田政権は「米国寄り」政策を進め、在日米軍の再編を後押しし、米国主導の環太平洋戦略的経済連携協定(TPP)予備交渉への参加を主張している。日本メディアによると、野田氏は第二次世界大戦時のイギリスに倣って米国と「太平洋憲章」を結び、アジア太平洋の経済、安全を米国と共に主導したい考えだ。ユーラシアの大国であるロシアは近年、極東地域の発展にますます重視し、日本による日米関係強化という新しい動きに関心を示さなくなっている。メドベージェフ首相の島上陸はロシアが極東地域の重要な一部であることを示したほか、日本をおびえさせる効果もあった。米国の同盟国である韓国は近年、米国から圧力を受け、日本と政治・軍事関係を発展させているが、日本の「仲間」になりたいとは思っていない。特に、日本の殖民統治から解放された独島の問題において、韓国は一歩も譲ることはできない。野田政権の「独島は日本固有の領土」という主張に対し、任期満了を間近に控えた李明博大統領はついに我慢できずに行動に出た。
日本が領土問題にこだわるのは、社会心理による影響がある。20年に及ぶ景気低迷に加え、昨年の東日本大震災で日本は国力をなかなか取り戻せず、民衆には不安や焦りがある。生活水準や福祉が今後も保障されるか不安に感じ、経済規模が中国に抜かれたことに焦り、このような感情がある中、民衆は利益に特に敏感になっている。これが領土問題に反映し、政府が成果を上げ、既得権益を固め、得られる利益を獲得することが期待される。
日本メディアの報道によると、日本政府は海上保安庁の態勢強化を決めたほか、今国会で『海上保安庁法』と『外国船舶航行法』の改正案を成立させる方針だ。この2つの改正案は、海上保安官が「領海」に入った外国船舶に対して立入検査を行わずに退去命令を行い、違反者に対して強制的措置を行うことを許可するというもので、警察官に代わって島に上陸した外国人を逮捕することもできる。独島と南千島諸島は韓国とロシアがそれぞれ実効支配し、釣魚島だけが日本の影響下にあることから、日本の新措置は主に中国に向けたものだといえる。中日の経済関係は絶えず深まり、両国が共に解決しなければいけない問題は増えている。共通の利益を追求すべき今、日本は国内政治と少ない国家利益を考慮した中日の大局を顧みない行動に出ており、残念でたまらない。
「中国網日本語版(チャイナネット)」2012年8月22日