日本人が清潔さを好み、秩序を重んじることは、すでに世界的に有名だ。日本人は自分たちのふるさとの環境をしっかりとつくり、美化し、保護するだけでなく、しっかりと管理、維持している。「日本国民の資質の文明度は本当に高い!」と多くの人が心から賛嘆する。
では、日本人はどうやってこられを成し遂げたのか?
「日本人はわれわれ中国人の余り清潔でないこと、わが中国の市街地が整然としていないことを、世界第一のように口にする。だが実は日本の最も有名な都会も一部の賑やかな界隈を除けば、西洋文明の洗礼を少し受けている以外、全ての裏通りは、その清潔でない点、整然としていない点においても東洋第一の模範国に恥じないのだ」--。郭沫若氏が1922年2月の『今津紀遊』でわれわれに詳しく紹介した日本の都市や農村の不潔、無秩序、劣悪は、実はわれわれにも十分馴染みのある光景だ。このことからわれわれは、日本人が元々現在のように「きれい」だったわけではないということを知るのである。
第二次大戦前後には日本人も「東洋人」の悪癖を数多く持っていたことは多くの資料から明らかだ。公共秩序を重んじず、列に並ばない、割り込みをする、みだりにごみを捨てる、みだりに貼り紙をする、みだりに露店を出す、みだりに停車する等々だ。では日本人はどうやって自らの悪癖を捨て去り、世界の認める「文明人」になったのか。日本には「城管」がないのに、一体どうやって都市の不潔、無秩序、劣悪を正し、今日のような「きれいな」ふるさとをつくり上げたのだろうか?
探求してみると、1つには国民が子どもの頃から受ける教育、もう1つには整った法体系のもたらす効果的な管理によるものであることに気がつく。日本は1948年に「軽犯罪法」を制定し、1983年に改正した。同法は34の「軽犯罪」を定めている。諸方をうろついて人に迷惑をかける、公共の場所で粗野もしくは乱暴な言動をする、公共の灯火を破壊する、水路の交通を妨げる、災害救援時に協力しない、割り込みをする、静穏を害す、身体を露出する、学位、職務、資格を詐称する、虚偽の災害事実を報告する、こじきをする、のぞき見をする、痰を吐く、所構わず大小便をする、みだりにごみを棄てる、みだりに露店を出す、みだりに停車する、動物虐待などは全て犯罪とされる。犯罪者は拘留または科料に処せられる。規則や法律に違反した場合、将来の進学、就職、融資などに大きな影響がある。しっかりとした法律とその抑止力によって、都市管理効果は著しく高まったのだ。