突然、叫び声が聞こえた。家の中にまだ人がいるようだ。火勢はどんどん勢いを増し、村人も何度も救出に向かおうとしたがうまくいかない。人々が救護員の到着をじりじりと待っていたところ、目の前の情景に人々は呆然とした。一匹の犬が、リードを引きずってでてきた。後ろには男の子が一緒にいる!「まず犬が吼えた声が聞こえて、それから男の子と犬がでてきた。男の子は出てきてからもしばらく犬のリードを手にしっかりと握って、びっくりしてなにもいえない様子だった。」と目撃者はそのときを思い出して語った。
このとき、この家の主人である柳さんも現場に到着した。男の子は部屋を貸りていた陳さんの息子で、フォンフォンちゃん(锋锋)といい、今年まだ3歳だとわかった。「男の子は顔が真っ黒にすすけていて、大人はみんな出かけていて、家には自分ひとりだけだったといった。」という。
犬はまだ飼われて1カ月あまりだった
不幸中の幸いだったのは、近くに犬がいたことだった。3歳のフォンフォンちゃんはけがもなく、それが家族にとって慰めになった。「火事が起ったとき、私たちはみんな仕事に行っていました。おじいちゃんは市場に野菜を買いに行き、家には大人が誰もいなかった。フォンフォンがいうには、火が上がったとき、犬は吼え続けて、フォンフォンのズボンを引っ張って、家から出したようです。」陳さんはいう。