米議会には頑固な反中派が100人余りいるが、親中派はほぼいない。中国は10数年前から米議会の感情改善に努めてきたが、次第に1つの法則を理解するにいたった。米国が容認できるのはイスラエル、日本、アジアNIEsのような中・小国のみなのだ。こうした国々は小さいので、米国は利益を分かち合うと同時に、戦略や価値観の面で従わせることができる。これは一種の交換関係だ。一方中国については、13億人と利益を分かち合う能力は米国にはないし、強大な独立性を有する中国が価値観の面で米国に従うこともあり得ない。このため、米議会に対してどれだけ工作をしようとも、親中国にさせることはできないのだ。
この法案によって、米国における中国の位置づけが改めて明確になった。戦略的ライバルだ。中国の台頭に対する米国の焦りの反映であり、対立的色彩が濃い。これは中米関係にとってマイナスだ。しかもこの法案は、釣魚島をめぐる衝突をコントロールしようとする中日の努力に、間違いなく多大な悪影響をもたらした。日本メディアの報道から見て、すでに日本は米国の後押しを得たために一段と強硬になり、中国と衝突する決意を強めている。だが、ひとたび中日間で衝突が発生すれば、米国は非常に受動的になる。戦略上、遠く離れた釣魚島のために米国が中国と開戦することはあり得ないし、戦術上、米国防総省も準備が整っているとは限らないからだ。したがって、こうした米議員の軽率な行動は、実際には米国の国益を危険にさらしているのだ。
「人民網日本語版」2012年12月3日