自民党立候補者の当選の知らせが続々と届いている。安倍氏は顔面蒼白のままで、大きな喜びを表に出すことはなかった。
「笑ってもらえますか? はい、もうちょっと笑ってください。そう、そう。歯を見せてください」。
この時に限っては、ベテラン俳優のように蒼白の顔をさっと赤らめ、一瞬だけ喜びを表した。それが終わると、すぐにいつもの憂鬱な表情に戻った。 座った安倍氏は、両手を左ひざに置いた。横にいる石破氏とはあまり話さなかった。
自民党が大勝したことで、安倍氏は組閣についてさらに熟慮しなければならなくなった。2006年に安倍氏が最初に首相に就任した際、その内閣が「お友達内閣」だと揶揄された。自分との関係が深いかどうかで大臣を選択したからだ。特に若い頃の議員仲間の起用が目立った。