日本の米国に対する二面的な戦略は、すでにはっきりしている。日本は一方で日米同盟・集団的自衛権を強調し、米国を抱き込み中国の海洋への「拡張」に対抗しようとしている。また日本はこれを機に軍拡を進め、軍事予算を増加し、自衛隊を軍隊にしようとしている。安倍氏はその一方で歴史を見直し、これを踏まえた上で改憲に着手することを提案した。安倍氏はこれにより、米国が戦後の日本に押し付けた「民主的な憲法の鎖」を解き、日本の発展に向け広大な空間を切り開こうとしている。米国は安倍氏の二面的な戦略に気づいており、対策を講じている。
オバマ氏は1月2日に新たな国防授権法に署名し、釣魚島(日本名:尖閣諸島)の防衛を初めて日米安保条約第5条の適用対象とした。これは米国が中国抑制に向け、中日の釣魚島の問題で日本側に立つことを示すものだ。その一方で米ニューヨーク・タイムズ紙は珍しく社説を掲載し、安倍氏が左翼首相・村山富市氏による日本の侵略戦争を認めた「村山談話」に代わる強硬な談話を発表し、歴史(特にアジアでの従軍慰安婦の歴史)を否定しようとすることを批判した。
ニューヨーク・タイムズが日本を批判する社説を発表すると、ニューヨーク州議会はニュージャージー州に続き、日本による強制的な従軍慰安婦問題の決議案の審議を始めた。安倍氏の歴史を否定する行為が、最終的にアジアの第二次世界大戦の歴史における位置づけを損ね、米国にとって深刻な脅威になることを知ったからだ。