共同通信社によれば、経済の発展に伴い生活習慣の変化や女性の社会での活躍が増えるに従い、東南アジアや中国での乳幼児用紙おむつの需要が急速に拡大している。これに対し少子化で需要が飽和状態になっている日本では、東南アジアや中国での市場拡大を予測して、紙おむつ工場の現地生産を積極的に進める傾向がみられる。
紙おむつの原料である不織布を製造している旭化成せんい株式会社は、2月中旬タイ中部のチョンブリ県に9億バーツを投じた新工場を竣工した。
旭化成によれば、アジアの乳幼児用紙おむつの消費量は2012年の290億枚から2015年には500億枚、そして2020年には750億枚になると見込まれている。これまで布おむつが主流だったが「仕事を持つ女性が増え、手軽な紙おむつが普及している」と担当者は指摘する。
日本の各メーカーでは需要の急速な拡大に呼応して、生産の現地化シフトを急いでいる。花王は今年1月から中国で現地生産製品の販売を始めた。昨年から販促を始めたインドネシアでも生産力拡大のため、花王は首都ジャカルタ郊外の新工場建設におよそ100億円を投じている。
日本の紙おむつは優れた吸水性と品質のよさから人気だ。日本メーカーのある責任者は、「日本を訪れた中国人観光客もわざわざ(紙おむつを)購入していく人が少なくない。現地生産でコストは縮小できるし、現地の風土や需要に対応した製品開発も可能になる。」と自信をのぞかせていた。
「中国網日本語版(チャイナネット)」 2013年3月8日