絶対多数の調査対象の男性がほとんど妻に結婚後も仕事を続けてほしいと思っている理由は、やはり経済が厳しく、生活のプレッシャーを軽減させるため夫婦で分担したいからだ。妻にパートタイマーの仕事を望むのは彼女たちに「家庭のことも顧みてほしい」と考えているからだ。
「妻に仕事に行ってもらうのは大変だとわかっているが、食べていかなければならないのでこれも仕方がない。」吉田相佑さん(35歳・会社員)は仕方なさそうに答えた。山本正男さん(38歳)はもっとはっきりいう。「以前、収入が多かったときは妻に家のことは任せていました。今は収入が減ったので、妻にも仕事に出てもらうしかありません。また給料が上がれば、専業になってもらって家や子供の教育をしてもらえるのですが。」
いわゆる「当事者ではないほうがよくわかる」といわれるとおり、昨年10月、国際通貨基金の年次総会が東京で開催された時、IMFのラガルド専務理事が指摘していたが、日本社会の高齢化の進み方の速さを考えると、人口に対する移民の割合が極めて少ないなどから、「女性の労働力が不可欠で、日本経済の活性化に果たす役割は相当効果的である。」のだ。日本社会の将来的な水準がどれくらいになるかによるが、妻を家庭に帰したいという、日本人男性だけからの見方でいいのだろうか。