子供が小学校に通う前、親は子供と一緒に登下校のルートを確認し、子供に通学路を覚えてもらい、どんなことに注意しなければいけないかを教える。学校が始まれば、子供たちは教わったとおりに一人で学校に通う。「子供はまだ小さいのに、万が一悪い人に出くわしたらどうするのか」と心配する人もいるだろう。
日本では人口密度に従って、子供たちを合理的に小学校に割り当てている。子供は家の近くの小学校に通うことができ、徒歩15-20分圏内には必ず学校がある。学校によってはスクールバスがあり、毎日決まった場所に子供を迎えに来るが、大半の子供は徒歩で小学校に通う。また、安全面を考慮し、家が近い高学年の児童と低学年の児童でペアを組んで一緒に登下校できるよう、先生が配慮している学校もある。他にも、日本では「集団登下校」を実施している学校が多い。登下校時の児童の安全を確保する目的で、児童たちの家を地域ごとに区分してグループを作り、高学年の児童は班長となり、グループの一人一人が無事に帰宅したことを確認する責任がある。事件や事故の発生を防ぐため、地元の警察、学校、保護者が連携して導入した仕組みである。「集団登下校」では、保護者同士が子供の登校時間や帰宅時間を連絡し合い、問題が起きたときには小まめに互いに知らせる。また、両親が共に出張などで不在の際には、先生が児童の送り迎えを行っている学校もある。町をパトロールしている警察は、積極的に小学生らに声をかけ、困っていることがないか常に見守っている。
そして、日本の小学生は皆、学校指定の帽子(通学帽)をかぶっており、ランドセルを背負っているため、一目で小学生だと分かる。そうすることで、児童が横断歩道を渡る際には、運転手も気を配り、電車に乗っていれば、降りたい駅で降りれるよう周りの人みんなが進んで手を差し伸べる。
2010年、日本では子供用のGPS(全地球測位システム)機能付き携帯が発売された。安全上の配慮から、子供用携帯の機能は限られており、簡単に親や先生、警察に電話できるようになっている。親は子供たちにGPS携帯を持たせ、時間通りに帰宅しなかったときには、自分の携帯で子供の居場所を確認できるようになっている。
「中国網日本語版(チャイナネット)」 2013年4月10日