さらに、国境を超えた要人警護(要人の日程に海外日程が含まれている)を考えると、公的機関は公的機関であるがゆえに原則的には「その」国内しか動くことができません。ですから、異なる国の警察を同時に動かすような要人警護ともなれば、もはや外務省ががんばって各方面調整しないと無理ですね。つまるところ、要人に海外日程が含まれている場合、毎度毎度「大げさ」なものになってしまうわけであります。
こうした社会要因と需要を複合的に考えると、潜在的危険因子の増加、要人の海外渡航機会増加(グローバル化)、公的機関の低度機動性などのキーワードから、国際的に人材手配可能なVIP警護企業の需要は増えてきそうであります。ちなみに、要人警護だけでなく、「警備ビジネス」を幅広く展開している日本企業の大手の綜合警備保障株式会社、セコム株式会社も、それほどVIP警護のグローバル化はできていないようでありまして、このニッチセグメント(国境を超えたワンストップのVIP警護サービス)は中小のVIP警護企業が参入できるセグメントになっているようです。
今後、「伸びる」VIP警護サービスの企業が出てくるような気が致します。または、数社が伸びる状況でなければ、世界各地の中小VIP警護サービス企業が国際的なグローバラアライアンスになっていくのかも産業構造として注目したいですね。(スターの警護、まさにスターアライアンス(^_^;))
中国の警備事業、要人警護事情についてもお話をうかがいました。
中国ではそもそも民間に「警備・警護」のサービス事業運営が開放されていないために、これらのサービス提供主体は直接ないしは間接的に公的機関ということができます。
これは、僕には意外なことでしたが、中国は全体的にそもそもの「警備体制」についてのレベルがそれほど高くないのだそうです。例えば建物警備をするにしても、その周辺の「人員配置」の卓越性が未熟だそうです。具体的に北京のある建物に、どうも各国のVIPが集まっていたらしく「いつもよりも厳重警備」がなされていたらしいのですが、その際の警備体制を例にあげて問題点を指摘されていました。