日本の安倍晋三首相は28日、「主権回復の日」のイベントで「天皇陛下万歳!」の万歳三唱を行い、侵略戦争については触れもしなかった。これには日本国内からも批判の声が上がっている。韓国「朝鮮日報」のサイトが4月30日に伝えた。
「主権回復の日」は、日本が敗戦後の1952年4月28日に連合国軍総司令部(GHQ)による占領統治から独立したことを記念するために設立された。安倍政府が公式的な記念イベントを行ったのはこれが初めてとなる。
朝日新聞は29日、「侵略戦争と殖民地支配という過ちを犯したため、日本は敗戦後に米軍の占領下に置かれた。そのことを忘れ、占領期を『屈辱の歴史』ととらえることは間違いである」とする社説を掲載。また記事は、「同じ敗戦国のドイツは全国民が歴史を反省し、国際社会に溶け込んでいる」と論じた。
読売新聞は、「日本がなぜ主権を失う事態に至ったかを含め、冷静に歴史を見つめなおすことが重要だ。国内外に災難をもたらした昭和の戦争(太平洋戦争)を始めたのは国際的視野を失った日本の指導者であり、敗戦と占領はその結末である」とする社説を掲載した。
ほかにも、安倍首相の「天皇陛下万歳」を批判する声がある。自民党と連立する公明党の山口那津男代表は、「憲法に国民主権がはっきりと規定されている中で、日本の独立が認められた日である。安倍首相がその意義を十分に踏まえて行動した(「天皇陛下万歳」と叫んだこと)か疑問だ」と述べた。あるメディア関係者は、「戦後に行われた天皇と直接関係ない政府の活動で、首相らが『天皇陛下万歳』と叫んだのは初めてである。戦前に戻ったようだ」と話した。