安倍晋三首相は24日、ミャンマーを訪問した。日本の首相がミャンマーを訪れるのは36年ぶりのことだ。オバマ大統領もその数日前のホワイトハウスで、訪米中のテイン・セイン大統領と会談した。ミャンマーの指導者による訪米は47年ぶりとなった。
軍事政権下のミャンマーには完全に開放された市場が存在せず、さまざまな地政学的政治利益が駆け引きを展開する重要な舞台、米日の東南アジアにおける新たな外交戦略の支柱になっている。
米日はなぜミャンマーとの交流をこれほど重視するのだろうか。ミャンマーはなぜ米日に好意を示すのか。その裏側には、各国が必要としている利益が存在している。
ミャンマーは2年前の軍事政権による政治改革以来、西側諸国との関係改善の需要が生まれており、米国などの西側諸国からの経済制裁の解除、経済支援によるインフラ整備を必要としている。安倍首相は今回の訪問で、約2000億円の対日延滞債務を免除し、1000億円のODAを提供し、さらに日本企業の役員を率い投資先を視察した。これはミャンマーに送った、魅力的なプレゼントと言える。またミャンマーは2014年にASEANの議長国となるため、世界の主な大国との関係を修復し、国際舞台に戻る必要がある。
日本は自国の経済利益の他に、ミャンマーとの関係強化により、「中国包囲網」を形成しようとしている。ミャンマーは南をインド洋と接しており、中国が南西から遠洋に直通するための、戦略的に重要な場所だ。そのためミャンマー情勢の急変は、中国の領土・エネルギー供給・海上貿易の安全に直接的な影響をもたらす。日本政府はミャンマーの改革開放を契機とし、突如ミャンマーとの全面的な交流を強化した。これには切実な経済面の要素の他に、中国の伝統的な利益空間を圧縮し、中国のミャンマーに対する戦略配置をけん制しようとする狙いがある。
日本の対ミャンマー政策が、東南アジアの戦略構造を安易に変更することはない。しかし日本の経済・政治投資が現在、信頼を勝ち取っていることは否定できない。押し寄せる利益の誘惑と激しい戦略的駆け引きに直面し、ミャンマー政府がどのような戦略的選択をするかが注目されている。
「中国網日本語版(チャイナネット)」 2013年5月27日