日本の行政機関は国民にとってはサービス機関で、サービス指向の政府の構築が日本のスローガンでもある。当然政府はさまざまな方面で大きな権力を持つが、こうした権力の多くは公に行使され、透明かつオープンで、国民からの監督を受ける。公務員は役職の高低に限らず、有効な監督の下、極力公平性・合理性を追求し、効率的に自らの職責を全うする。
区長は東京都の各区の最高職だが、ヒト・財・モノに対する管理はいずれも大きな制約が課されている。まず、個人はそれほど財政権がない。政府が毎年財政予算を制定し、各部署が予算要求を提出、総予算が確定後、各部署の予算を改めて固める。区議会による予算審議は真剣かつ詳細で、議員の質疑に対し、部署責任者が公開答弁を行い、区民がこれを傍聴する。いたって公開で透明だ。
区の企業への応対も高飛車であってはならない。区で何かイベントをする際、資金がない場合、区長は企業にスポンサーを依頼する。企業は自社の宣伝ができるため進んで出資するケースが多い。企業がプロジェクトを申請する場合も、関連法規・規定を遵守していれば、区の審査でハードルを設けてはならない。