上述したニュースは、日本企業が苦境の中で突破口を見出そうとする精神を示しているが、同時に日本政府の中国観光市場に対する集中力の欠如を示してもいる。それでは、この集中力の欠如は、どのような結果をもたらすのだろうか。
まず、このような手法は中央政府と地方政府間の不一致を生みやすい。日本政府は視線を東南アジアに向けており、中国に対する依存から脱却しようと決意し、東南アジア市場開発で中国をけん制しようとしている。その一方で地方政府は、中国市場を固守しようとしている。これでは国と地方が協力できず、観光立国政策の効果が割り引かれてしまう。
次に、外国人観光客の日本の政策に対する誤解を生みやすい。特に東南アジアの観光客は、日本政府が彼らを、中国人観光客の流出による観光市場の空白を埋める道具、いわば予備用としていると考えるかもしれない。彼らは、中国人観光客の訪日ブームが再来した場合に、これまで通り優遇されるかを懸念するだろう。
最後に、大量の資源が浪費される。中国の観光市場を開発する際に、各地でさまざまな取り組みをし、多くの労力と資源を投入した。今になり東南アジアのイスラム教国の観光客に目標を定めることで、多くのプロジェクトを見直さなければならず、膨大な浪費が生まれる。(筆者:蒋豊)
「中国網日本語版(チャイナネット)」2013年6月29日