21日に行なわれた日本の第23回参議院選挙で自公連合が圧勝し、与野党が衆参両院を各々押さえる「ねじれ国会」が解消されることとなった。(文:辛仲楚・国際問題専門家。人民日報海外版コラム「望海楼」掲載)
今回の選挙は通常の選挙だが、安倍政権が発足以来右傾化の道を邁進し続けているため、国際社会は高い関心を寄せた。参院選で勝利した安倍政権が日本をどの方向へ導いていくのかを、誰もが気にかけている。
日本政府は2つの全く異なる道を前にしている。1つは、衆参両院での絶対的優勢という後ろ盾を得て、歴史問題などでますます恐いものなしとなり、憲法改正を推し進め、「国防軍」を創設し、侵略の歴史を否認し、第2次大戦後に構築された国際秩序に引き続き挑戦し、日本を「自己規制緩和」へと導く危険な道。もう1つは、参議院選挙という制約要因がなくなったため、領土問題で理性的、実務的な姿勢をとり、隣国との関係の立て直しを積極的に進め、自らの発展を地域の発展に融け込ませ、地域の平和・繁栄実現のために努力する道だ。
日本政府にとっては、前者の道を歩む誘惑の方が大きいようだ。現在日本社会は保守化の傾向が明らかで、民族主義が台頭している。政治家は強硬姿勢を競い合っており、対外強硬姿勢を示せば容易に民衆の支持を得られる。一方、勇気をもって本当のことを言えば、売国と非難される。為政者の安倍氏は参院選の勝利を現行の政策に対する民衆の肯定と支持と解釈し、引き続きこの道に沿って進んでいくかもしれない。だが見識の高い人には明らかなように、この道は下心ある政治屋の鼓吹する「はかない夢」であり、よからぬ道であり、光明に満ちた道では決してない。
第1に、この道は歴史の潮流に逆行する。人類はすでに2010年代に入った。新興市場国が集団的に台頭し、アジア太平洋の構造に深い調整が生じ、平和・協力・ウィンウィンの理念がすでに人心深く浸透している。誰であろうと軍事対立を囃し立て、武力を拡大し、侵略に大義名分を与え、国際秩序に挑戦するのは、いずれも身の程知らずの妄想に過ぎず、惨敗する運命にある。