9月3日は中国の抗日戦争勝利日であり、世界の反ファシズム戦争勝利記念日でもある。これは歴史を反省し、歴史を胸に刻む絶好の時期であるはずだ。中国外交部の秦剛報道官は談話を発表し、日本に対して歴史と未来に責任を負う態度をとり、侵略の歴史を反省するとした約束を真剣に履行し、実際の行動によりアジア諸国と国際社会から信頼を得るべきだと指摘した。
しかしこの敏感な日にも、一部の人は逆に反省を迫ることで、現在の中日関係に生じている問題点を導き出そうとする。日本は靖国神社参拝などの「中国側の敏感な問題」について慎重に対応しなかったばかりか、中国が1990年代より「反日を中心とする愛国主義教育」を強化していると主張した。
中国政府は反日教育を実施しているのだろうか。これについては、一般人が最も発言権を持っている。上述した観点を持つ人は、今の中国を30年前の中国ととらえている。この論理に従えば、30年前の中国人が今日のような日本に対する感情を持っていなかったのは、当時の政府が中日友好を宣伝した結果によるものだ。しかし今日の中国社会は、30数年前の様子とはまったく異なる。改革開放により、中国は世界のより多くの声を聞けるようになった。歴史と現実の問題に対する多元的な思考は、受動的な詰め込み教育の代わりとなり、高等教育を受けた多くの人が歴史問題に対して独自の見解、比較的深刻かつ全面的な認識を持つようになっている。現在はこの20数年間の中で、思想が最も活発的な時期と言える。
社会から政府に対する厳しい批評と意見が出るようになったことが合理的であるならば、近年の中国人の日本に対するある種の感情は政府の行為によるものと結論づける論理は荒唐無稽だ。今日の社会で出現している日本に対する声は、完全に民間が自ら発したものだ。