日本の安倍晋三首相が米ニューヨークでの講演で、「私を右翼の 軍国主義者と呼びたいなら呼んでいただきたい」などと発言したことでメディアの注目を一気に奪った。安倍首相は自らが右翼かどうかはどうでもよく、米国にどう安心してもらい、米国からどうより多くの実際の利益を手に入れるかを気にかけている。
今回の国連での発言にはセールスポイントが2つある。一つは「アベノミクス」を引き続き吹聴することで日本が「戻ってきた」ことをアピールし、投資を呼び込む狙いと、もう一つは集団的自衛権の解禁を目指して憲法改正を粉飾し、外界からの支持を得る狙いがある。
「アベノミクス」について、スローガン以外にみんなが見たいのはその「治療効果」だ。短期的な刺激策が経済の長期安定成長を導くかはいまだ未知数だ。集団的自衛権の解禁について日本があげる理由はちょうど米国の「弱点」をついている。
日本が完全な主権国家になれないのはその最も根本に国防と軍事政策を独立してできないというのがあり、米国がその最大の障碍となっている。冷戦時代、「日米同盟」は日本の安全保障への憂慮を取り除いてくれたが、日本の軍事力発展にも「呪縛」がかけられた。
近年、情勢に変化が生じている。中国の国力強化にともない、米国は戦力の重心を欧州からアジア太平洋地域にシフトしているものの、相対的な実力の低下により、米国がアジア太平洋地域でやすやすと問題を解決するのは難しく、同盟国に頼る度合いを強めるほかなくなっている。しかも日本の軍事力は同地域の同盟国の中ではナンバーワンに数えられる。