このほど中日関係を巡る報道の中で、「スパイ」がキーワードになっている。この冷戦の色合いの強い言葉は、中日両国の一部の人を引きつけており、彼らをこのありもしない敵対ムードの中に浸らせている。例えば日本の一部メディアの曲解により、単なる中日偽装結婚の事例が、中国人女性のクラブを利用した「スパイ活動」にされ、クラブも中国の情報機関にされてた。日本の華字紙・東方新聞が伝えた。
これは長年前に流行した「トイレの落書」の常套語に聞こえる。しかし今日になり、両国のネットユーザーはこの程度の低い情報にのめり込んでいる以上、冷静になり集団で振り返る必要がある。
あの故意に曲解されたニュースを振り返ってみよう。日本の公式情報によると、京都府の基地に所属する中年の自衛隊員は、現地のクラブの中国人女性と偽装結婚したことにより、京都府警察から逮捕されたという。
まず本件はすでに過去のニュースであるはずで、今年6月に発生した。京都府警察本部が発表した情報によると、京都在住の谷本孝行陸曹長は2011年11月22日、京都市南区に結婚届を提出した。彼の結婚相手は、31歳の中国人女性の孟迪被告だった。しかし入国管理局はその後、谷本被告と孟被告が結婚後も同居していなかったことを発見し、偽装結婚と認定した。京都地方裁判所は今月26日、詐欺罪と公正証書原本等不実記載罪により、谷本被告に懲役2年・執行猶予3年の有罪判決を言い渡した。
公式情報はここまでだが、一部メディアは創造力を発揮し、故意に連想した。本件は最終的に美人スパイが自衛隊員に仕掛けた「ハニートラップ」にされた。さらにクラブの女性経営者の親戚が中国共産党の幹部であり、クラブそのものが中国当局の「情報活動拠点」と連想された。
これは一撃に耐えない論理で、理性ある人に笑われ、ネット民に憶測をたくましくさせるだけだ。マッカーシーのような誹謗は文明を後退させ、良知を滅ぼすだけだ。
日中両国関係が急激に冷え込んでいる現在、日中両国の責任を担うメディアである我々は、友人になる前に互いに善意を多く示すべきだ。
「中国網日本語版(チャイナネット)」 2013年10月9日